あけましておめでとうございます&はじめまして、メディアドゥの泉です。
IVS CTO Night & Day 2018に参加してきました!
そのサマリーをレポートします。
IVS CTO Night & Dayとは
CTOやそれに近しい職に就いている技術系の人たちを対象とした、AWS主催の招待制カンファレンスです。
参加者同士によるディスカッションや事例共有を行ったりしながら、技術者のコミュニティが構築されることを目的としているとのことです。
また、CEOやCFO向けのInfinity Ventures Summitの併設イベントでもあり、Startup企業の新サービス発表会「Launch Pad」も聴講できたりします。
今回が7回目となるイベントで、12月の17、18、19の3日間、金沢にて開催されました。
超有名どころの企業から創業したてのStartupまで、総勢100名を超えるCTO(および近しいロールの人)とご一緒してきました。
前夜祭
金沢の老舗の懐石料亭、金城樓さんにて。
ものすごく格式高い感じのお店で、やたら広い畳の大広間が会場でした。
お店の雰囲気に加え初参加ということも相まって、勝手にアウェー感を感じながら会場に入りましたが、、、
そこはやはり同じエンジニア同士だからでしょうか、
共通の話題も多く、複数のCTOの方とカジュアルにお話することができました。
Day1
AWS Morning Session
AWSの方々がテーブルごとにセッションを行ってくださいました。
特に印象的だったのが、Amazon Culture。
そのうちの一部を簡単に。
プレスリリースファースト
- 最初にプレスリリースを書いて、それをレビューして納得のできる状態になってから開発とかをはじめるらしい。
新しい企画などは7割方いけると思ったら実行する!
- ジェフ・ベソスも孫正義もそういう判断軸をお持ちとのこと。
チーム構成や開発・運用のポリシー
社内ではパワポ禁止!
- かわりにナラティブ。散文、シンプルなテキストだけで表現する。
CTO Session - DMM.com、変革の第一歩
10月にDMM.comのCTOに就任された松本勇気さんによるセッション。
GunosyのCTOを辞めて入社に至るまでの経緯や、DMM.comをいかにしてテックカンパニーにしていくかの施策など、
非常に参考になるTIPSがたくさん詰まった内容でした。
ちなみに、DMM TECH VISIONという資料がネットでも公開されています。
ご紹介頂いた施策の中で個人的に1つあげるとすると、
CTO日報を書いてみんなに公開しているというのが良いなぁ、真似しようかなぁと思いました。
でも、毎日だと大変そうなので、週報くらいにしておこうかな、、、
CTO Session - ロンドンでのローカル開発チームの 立ち上げ方とメルカリのグローバル採用の話
メルカリUKの立ち上げから現地での採用等に関して、メルカリの執行役員の田中慎司さんによるセッション。
田中さんは、はてなの元CTOもされていた人。
イギリスでは、エンジニアは2~3年で次の職場へ転職していくような流動性らしいです。
ちなみにこのセッションと同日に、メルカリがイギリスから撤退するというニュースが流れましたね、、、
CTO Dojo
CTOによるLT形式のセッション。
4つの部屋で同時並行で行われ、聞きたいLT部屋に移動していくスタイル。
CTOならではの悩みや体験談が聞けて、参考事例として活用できそうな内容でした。
CTOの役割って結構あいまいで、企業によってCTOが担っている役割は様々。
なので、CTO / チーフアーキテクト
、CTO / Engineer Manager
みたいに、
サブタイトルを付けたら良いのでは?という案もありました。
公開 CTO Office Hour
グリーのCTO藤本真樹さんとビズリーチのCTO竹内真さんが、メンターとしてお悩み相談に答えてくれる対話型のセッション。
オフレコな内容が盛りだくさんで、あまり詳しくは書けませんが、、、
「エンジニアの評価制度と報酬体系」というテーマで、不肖ながら僕も壇上に上がらせて頂きました。
評価制度の成功事例やアンチパターン、ぶっちゃけ今のエンジニアの報酬テーブルはいくらくらいなのか、という内容の質問をさせてもらいました。
持ち時間のほとんどがお金の話にフォーカスされた感じになってしまいましたが、、、
これに関しては、市場における需要と供給の話であり、ここ数年で2段階くらい報酬テーブルが上がった感じだが、さらに3段階目がもうすぐ来るという予想をされていました。
これからは、職種ごとに給与テーブルを持つような運用にして、市場の変化に対応していかなければ、エンジニアの採用や人数の確保はままならないですね。
あと、評価制度に関しては「こうなって欲しい」という願いを込める、という方法も教えてもらえました。
Dinner Roulette & re:Play@CTO Night
Dinner Rouletteは、8人くらいのグループに分かれて、それぞれが別のお店で交流を深める飲み会。
re:Play@CTO Nightはそれの2次会にあたる感じでしょうか。
初対面にもかかわらず、みなさんと非常に深い議論ができました。
Day2
午前中は石川県立音楽堂にてIVS Launch Pad。
午後はDay1に引き続き、ラグナヴェール金沢にて。
IVS Launch Pad
IVS Launch Padはスタートアップの登竜門的な新サービスをプレゼンするイベント。
とにかくみなさん、プレゼンやデモが上手だなぁと、ただただ感心するばかりでした。
詳細はこの辺りの記事で。
あと、超どうでもいいことですが、発表時間6分が過ぎたら強制終了なルールで、その時になる音がドキュメンタルで芸人が笑っちゃったときに鳴る音と一緒でした。
Global Startup Session
USのStartup4社のCEOやCTOによるプレゼン。
- 認証サービスの Auth0
- オンボーディング支援の Appcues
- MSA向けAPIプラットフォームの Kong
- 次世代なWAFの Signal Sciences
この中ではAuth0が使ったことのあるサービスでしたが、
バックエンド、特にインフラ部分が4~5年の間にめちゃくちゃ変わったという話が印象的でした。
クラウド環境を何回も引っ越した的な感じで、作業を想像すると、、、
Keep the infrastructure simple とおっしゃってましたが、まさにその通りだと思いました。
Global Startup Panel Discussion
先のセッションの4名と、楽天で常務を務められたこともあるカーディナルの安武弘晃さんによるパネルディスカッション。
創業時のお金の苦労、投資家とのやり取り、失敗談などを聞くことができました。
Closing Session ~ CTO 質問 1000 本ノック、何でも答えます
イベントの最後は、株式会社ソラコムのCEOである玉川憲さんが、その場で質問に答えまくってくれるセッション。
ちなみに玉川さんは起業前はAWSのソリューションアーキテクトをされていたそうです。
個人的に印象に残った質問&回答をいくつか。
Q: 報酬レンジ、評価制度はどうやって決めている?
AWSにはレベル、職種、場所を軸としたテーブルがあり、それを参考にした
レベルが上がれば報酬がガツっと上がる感じ
Q: ダメなCTOとは?
企業のステージによる
初期フェーズでは、プロトを作る腕が無いとNG
次フェーズでは、チームを作れないとNG
10~100フェーズだと、複数チームを見たり技術的ビジョンを持っていないと難しい
Q: 子供3人いて起業は怖くなかったか?
チームを離れるのが怖かったし、家族を守れるかも怖かった
失敗してもAWSに戻れる自信があったから起業リスクを取れた
まとめ
とにもかくにも有意義な時間でした。
こういった場は初めてでしたが、社外のCTOやCTO相当なエンジニアの方々と話すと、
自分の会社に持ち帰って活かせそうな知見をたくさん得られますね。
社内でコードばかり書いてないで、たまには外に出て交流・露出することも大事ですね。
あと、個人的に印象に残ったフレーズを書き残しておきます。
「コーヒーがデプロイされました」「ケーキがデプロイされました」
セッションの合間に飲み物やおやつがふるまわれた時のAWSの方によるアナウンス。
「技術的負債が心理的負債に変わる」
ソラコム玉川さんによる、自分の作ったアプリが残念過ぎて、後を託す人への罪悪感のこと。