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メディアドゥSRE流 AWSコスト管理術

こんにちは。技術本部 SRE部の野田・早川です。
メディアドゥでSRE部ができて2年ほど経ちましたので、現在SRE部が担っている役割についていくつか紹介していきます。

※前回の記事についてはこちらをご確認ください。

今回は、SRE部が実施しているAWSコスト管理についてご紹介したいと思います。

■はじめに

メディアドゥのSRE部では、AWSに関する全ての請求情報を管理しており、請求情報のデータを利用して様々な施策を実施しています。

今回は以下2つの施策について説明したいと思います。

  1. 請求処理の自動化
  2. コスト分析
■請求処理の自動化

AWSの請求書はPDF形式となっており、また複数の名目でバラバラに送付されています。 いままではそれらの請求書から金額やアカウントID、サービス名などの必要情報を抽出し、スプレットシートに転記・整理し直したものを手動で作成し、月毎の請求処理に利用していました。

これに対し、工数削減のためAWSのサービスを利用し請求処理の自動化を行いました。

具体的な処理の流れは以下の通りとなっています。

①請求書の自動取得(Lambda->s3)
②請求書(PDF)の内容を解析(s3->Lambda)
③解析された内容をRDSに格納(Lambda->RDS)
④BIツールにてRDSにクエリ発行し月毎の請求情報を可視化(RDS->QuickSight)

上記により、毎月の請求処理が自動化され、工数が大幅に削減されました。

■コスト分析(1)

先に説明しました通り、SRE部ではAWSの請求情報を管理しているため、 コストの把握および最適化についての検討を定期的に実施しています。

具体的な処理の流れは以下の通りです。

①週次及び月次のタイミングでAWS費用を収集(CE->Lambda)
②AWS費用で増減のあったプロダクトをslackに自動投稿(Lambda->slack)
③slackに投稿された情報を分析(slack->SRE部メンバ)
④分析の結果を必要に応じ各プロダクトへ連携・対応実施(SRE部メンバ->各プロダクト)

これにより、必要以上のコスト発生が抑えられるだけではなく、 各プロダクトチームのコストに対する最適化の意識付けや連携強化ができました。

■コスト分析(2)

毎月のAWS費用の予算に対し、実績値を並べて比較することでAWS費用が想定通りのものであるかを分析しています。

具体的な処理の流れは以下の通りです。

①各部署に対し、AWS予算のヒアリング(各部署->SRE部メンバ)
②ヒアリングした結果をRDSにデータとして格納(SRE部メンバ->RDS)
③月毎の請求情報データとマージしてBIツールで可視化(RDS->QuickSight)

これにより、毎月の予算の妥当性が簡単に確認できるようになりました。 また、グラフなどを用いて多角的に分析することによりコスト最適化の切り込みへの糸口として役立っています。

■まとめ

上記のように、SRE部では自動化による工数削減や、プロダクトに沿った費用管理策の提案ができるような環境作りを推進しています。
今後もBIツールの表示する情報をアップデートし続けてコストの最適化を目指します。